ヘレニズム文化

世界市民主義(コスモポリタニズム)

ヘレニズム時代に、ギリシアのポリスが衰退し、東西文化が融合する中で、ポリスに縛られず普遍的に価値判断が行われるようになった。この思想を世界市民主義コスモポリタニズム)と言う。

エピクロス(紀元前341年~紀元前270年)

サモス島出身のギリシアの哲学者。
世界のすべては原子で出来ていて、人間の生命も原子の結合に過ぎない。死とは原子の分散に過ぎないのだから死を恐れる必要はない。彼の主張は、死の不安から解放する倫理学でもあり、生命の原子が結合している間は快楽を求めることは善であると説いた。
デモクリトスの原子論をもとに、人生の目的は快楽にあると主張し快楽主義を提唱した。

エピクロスの思想を受け継いだ学派をエピクロス派と言う。

ゼノン(紀元前335年~紀元前263年)

キプロス島のキティオン出身のギリシアの哲学者。紀元前5世紀ごろに存在したギリシア哲学者ゼノンと区別するためキプロス(キティオン)のゼノンと呼び分けることもある。
アテネでクセノフォンの「ソクラテスの思い出」に出会い、感銘を受けアカデメイアで学んだのち、ストアと呼ばれる柱の下で哲学の講義をした。このことから彼の学派をストア派と言う。
人生の幸福は理性 (ロゴス) によってもたらされるものであると説いて、道徳的な幸福を追求した。
ストア派哲学はローマに広く受け入れられ、マルクス=アウレリウス=アントニヌスといったローマ皇帝にも強い影響を与えた。

エウクレイデス(出生不明、紀元前3世紀ごろ活躍した人物)

英語読みではユークリッドと呼ばれる。古代エジプトのアレクサンドリアで活躍したギリシアの数学者。
当時存在していた幾何学論を集大成して、著書「原論」を残し、ユークリッド幾何学と呼ばれる分野に発展した。

アルキメデス(紀元前287年~紀元前212年)

シチリア島シラクサ出身のギリシアの数学者、物理学者。アレクサンドリアで研究していた。
入浴中に浮力についてのアルキメデスの原理を発見した。その他にも、てこの原理を発見、円周率のより正確な値を追及した。
発明家でもあり、第2次ポエニ戦争の際、数々の兵器を考案したが、ローマ兵により殺害された。

アリスタルコス(紀元前310年頃~紀元前230年頃)

サモス島出身のギリシャの天文学者。アレクサンドリアで活躍した。
地球は太陽の周りを自転しながら回っていると説いた。(地動説
地球と太陽の距離を算出した。

エラトステネス(紀元前275年 – 紀元前194年)

北アフリカ出身のギリシアの天文学者。アレクサンドリアのムセイオンの館長を務めていた。
地球の周囲の長さを測定した人物。

ムセイオン

プトレマイオス1世がアレクサンドリアに建設させた研究所。付属する図書館は世界最大規模であった。

コイネー

ギリシア語で「共通の」という意味を持つ。
アレクサンドロス帝国と以降に続くヘレニズム諸国で使用された公用語であるギリシア語をコイネーという。現代ギリシア語の基礎となった。
新約聖書はコイネーで書かれた。

ミロのヴィーナス

エーゲ海にミロス島で発見された。
ギリシア神話の女神アプロディーテーを題材にした像。

ラオコーン

ギリシア神話のトロイア戦争に登場してくる人物を題材にした像。

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